箱根駅伝を10倍楽しむために
- 作者: 生島淳
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/09/14
- メディア: Kindle版
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再度箱根ネタ。
箱根駅伝の見方が変わる本。
各校の各区間への選手配置の考え方であったり、箱根全体の傾向というのがよくわかる本です。
例えば、
・駒澤大学は復路に重点を置く
特に、7区と9区に良い選手を配置できるときの駒澤は優勝を狙えると見て良い
・今の箱根は5区の距離が長くなったことで、山登りのスペシャリストが現れると、
その選手の走りが総合順位までを左右する影響力を持ってしまう
(前回までの柏原君、その前の今井君含め、5区の区間上位の学校が、総合順位も上の方にいることが多い)
といったことであったり、
◆区間配置に関するタイプ分け
・先行投資型
→以前は1区、2区で先行して、3区までに上位をうかがえれば、
距離の短い4区をつないで5区までに貯金ができる
・後半投資型
→駒澤のような、復路重視の戦略
・リスク分散投資型
→かなり保守的な戦略で、あまり見せ場は作れないが、
大崩れしないようリスクを分散させる戦略
・経験重視型
→甲乙つけ難い複数の選手がいた場合、翌年以降を見越して
下級生を使うか、上級生の経験にかけるか、という指導者のポリシー。
上級生の経験にかける指導者が多いように見える。
などといった点。
また、往路と復路には特徴があり、
・往路は集団の中での競り合いに強いこと
・注目されることへの耐性があること
が求められ、
・復路は単独走になった場合でも自分のペースで走れる
・スピードよりも距離が延びることで味わいのある選手
・ただ、十区はシード権争いに絡む場合などでスピードが必要になるので、
往路での適正が必要になる
そうです。
5区の距離が、全体に大きな影響を与えている現状を指摘しつつ、スペシャリストはいらないという早稲田の渡辺監督の話などを交えつつ、有力校の選手育成方法や戦い方などを紹介していて、非常に面白いです。
前回紹介した本と合わせて、箱根の前に是非ご一読を。