サッカーから世界を知る
- 作者: 後藤健生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/09/20
- メディア: Kindle版
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テレビでバレーボールの日本vsセルビアの中継をやっていることを知り、ふと思った。
セルビアって、旧ユーゴスラビア。我々の世代が学校で習ったのは、東ヨーロッパにユーゴスラビアという社会主義国があって、その首都はベオグラードで・・・、といった具合。
あれから20数年経って、セルビアってどの辺にあるんだっけ?ということが気になり、久しぶりにヨーロッパの地図を眺めた。
その昔サッカー少年だった者にとっては、ユーゴスラビアにはレッドスター・ベオグラードという強いサッカーチームがあって、ルーマニアにはステアウア・ブカレストというチームがあって、ウクライナにはディナモ・キエフがあって・・・みたいに、街の名前と国とを紐づいて覚えることができた。
スペインも、当時からレアル・マドリード、バルセロナが際立って強かったが、アスレチック・ビルバオという、バスク人選手を揃えるチームがあって、という民族的な部分も知ることができた。
イタリアでは、南イタリアのチームと北イタリアのチームとのライバル関係だったり、ドイツではクラブチーム名の最後にクラブ創設年の数字がつくことが多いということを知り、イギリスにはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つのサッカー協会があって、それぞれが異なる文化の中で生活しているとか、そんなことも何となく知ることになった。
ワールドカップには、その国の国民性がサッカーに現れていて、スペインは情熱的だから、初戦から目一杯戦うけど息切れする、みたいな。
冒頭に紹介している後藤さんの本は、15年以上前の本だけど、色んな国の国民性とサッカーの特徴を興味深く書いている本だ。
※スペインが情熱的だから、、、のくだりは、jun2の個人的見解で、本の内容とは無関係。
で、あれから20数年が経ち、この間、ヨーロッパの国々は大きく様変わりした。
けれど、ヨーロッパサッカーの中心を占めているのは、一部の金満クラブで、それはこの10年以上、何の代わり映えもしない。
曲がり間違って、シャフタール・ドネツクなんかがチャンピオンになるような、そんな番狂わせは起こりようもないくらい、カネがモノを言う世界になってしまった。
小さな街の小さなクラブが街の誇りを背負ってビッグクラブを倒す、そんな姿を、遠い異国で、この街すげえ!と思いながら見る、なんてこともできない時代になってしまった。
サッカーチームから街を知る、なんてことはできないんじゃないかと思ってる。
こんなグローバルな時代だけれど、今の小学生や中学生は、何をとっかかりに異国に興味を持つことになるのだろうね。
なんてことを、ふと思った。